風流サバイバー


by ADPowers
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指輪

100円均一ショップで買い物をしていた。
BGMなど気にとめたこともなかったのに、あまりにも劇的なイントロであったため、思わず立ち止まり、口を半開きにして曲に聞き入ってしまった。
ふと気づくと、嫁が後ろで目をまんまるにして立ち尽くしている。

あ。ヤバイ。これは泣くぞ。

嫁は泣き出す直前にぎりぎりまで涙をためこむため、ちょうど凸レンズの原理で黒目が異様に拡大されるからすぐわかる。

買い物もそこそこに会計を済ませて、店の外に飛び出す。

その道は、今年の桜がまだつぼみだったころ、ふたりでとぼとぼと歩いた道だった。
その道は、今年の梅雨どき、嫁がひとりで傘をさしてかよった道だった。
その道は、今年の夏の盛りには、杖にすがりながら嫁ととおった道だった。

その道をいま、去年の今ごろと同じ足取りで、またふたりで歩いている。

嫁が鼻をすんすん鳴らしながらついてくる。

ばかだなあ。なんでそんなに泣いてるんだ。
大丈夫だよ。こう見えても悪運はめったやたらと強いほうだから。
おまえと会ってからパチンコも競輪も負けたことないんだぞ。

だからさ。
こんな人生一番の大博打に負けるわけないじゃないか。

約束します
君を残して
ぼくは死ねません
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by ADPowers | 2005-12-05 12:02 | 俺様日記