風流サバイバー


by ADPowers
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オペラ座の怪人・リターンズ

というかなんというか。
実は今年の2月に劇団四季・友の会会員であらせられる嫁友のお誘いで、オペラ座の怪人を見に行っているのである。
しかしその感想もアップできないうちにガン告知から入院・手術とドタバタしていた。

そんな最中の4月末に病院まで訪ねて来てくださった嫁友のお見舞いの品が「2005/12/17・オペラ座の怪人・S席チケット2枚」であった。

感動ですよ。
この時はマジメな話、明日をも知れぬ命であったし、場合によっては余命宣告を受けかねないような状態だったので、このプレゼントは本当に心に沁みた。

嫁友女史はにっこりと微笑んで「Powersさん。これで死んだりできなくなったわよねえ」とおっしゃった。
おれはこの約束を果たすために生きなければ。

そして見事「寛解(完治じゃないのがツラいが)」のお墨付きをもらっての観劇が叶い、いってきましたよ寒風吹きすさぶ「四季劇場・海」。

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プロローグ~オーバーチュア

このミュージカルの中で最大の見せ場は、実は冒頭にある。
額縁形式の仕立てであるため、時は劇中の"現在"。
かつては栄華を極めたパリ・オペラ座の調度品や芝居の小道具が次々と売られてゆく競売のシーンから始まるこの舞台は、拍子抜けするほどがらんとした、いい言い方をすればシンプルな、悪い言い方をすれば投げやりなセットでスタートする。

品物の紹介と落札価格のコールが淡々と続き、オークションの熱気とはおよそ無縁な場面。

その中で、にオルゴール内蔵のぜんまいじかけの猿のおもちゃを落札した老紳士が、静かに歌い始める。

 オルゴール・・・これだ
 あの人がいつも言っていた

老紳士はラウル・シャニュイ子爵という。
オペラ座とは浅からぬ因縁があるらしい。

 #おれ的には今日のラウルはちょっとダメ臭かった。
 #この時点で声がバリバリ若いんだもん(爆)

そしてもうひとつ盛り上がりに欠けているらしいその日のオークションの目玉商品はロット番号666番。
無造作に舞台中央に汚い布をかけたまま放置されているシャンデリアだ。
原作や映画を見たことのないひとでも知っているかもしれない。
これがあの「落下したオペラ座のシャンデリア」である。
破片を繋ぎ合わせ、明かりが灯るように修理したというシャンデリア。
最初おれは「しかしこんなふうにデーンと放置されていたらちょっとな~。。。」とか思っていた。
ところが。

 ちょっと明かりをつければ
 昔の亡霊も逃げ出すことでありましょう!

芝居がかった競売人の声とともに、布が取り払われ、シャンデリアが姿を現す。
明かりが灯され、観客席の真上に向かってしずしずと上がっていく。

そこに重なるあの誰もが知っているパイプオルガンのオーバーチュア!

 #いや、音源はシンセなんでショボいですよ、確かに。
 #でもね。あの大きさのハコであの音響は
 #ベストを尽くしていると言っていいと思います。
 #観客の耳に不愉快と感じられない範囲での最大音量が
 #しっかりと計算されておりました。ブラボーです。

実際、初回見に行ったときにはこの部分だけでもう涙出てきました。
嫁や嫁友と席が離れていてよかったと胸をなでおろしたほどです。

この瞬間に時代は競売の日から数十年、現代からはさらに百年も遡り、海劇場は「オペラ座」と化す。

このために嫁も嫁友おふたりもおれも、ほぼ正装をしていた。
今日はミュージカルの観客であると同時に、「観客たち」という役名のキャストでもあるのだから。

 #これから現地に見に行く方はぜひ正装してください。
 #ちょっと恥ずかしいとか思ってたらこの舞台の魅力は
 #2割減くらいになってしまうと言っても大げさではないのです。

(続く)
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by ADPowers | 2005-12-20 14:40 | 俺様日記